ヘルムホルツ共鳴(Helmholtz Resonance)

空きびんに息を吹き込むと「ボー」という音がなることがあります。このような場合、容器の中で共鳴が起きており、この場合の共鳴は特にヘルムホルツ共鳴と呼ばれます。そのときの共鳴周波数を求めてみるため、下の図のような容器(ヘルムホルツ共鳴器)を考えてみましょう。ここでは、球状の胴体の体積を$V$、ネック部の断面積を$S$、長さを$l$としています。

このとき、ヘルムホルツ共鳴による共鳴周波数は、以下のような式で与えられます:

$$f = \frac{ c }{ 2 \pi }\sqrt{ \frac{S}{Vl} }$$

なぜ、共鳴が起きるかを考えると、体積が$V$の空気が胴体にあり、ネック部には質量が$m$の空気があるとします。息が吹き入れられると、ネック部の空気が内部に押し下げられ、胴体の空気が圧縮されます。胴体の空気は圧縮されると、復元力によって膨張します。それによってネック部の質量が押し上げられます。質量$m$は慣性があるために初めにいた平衡位置を少し通り過ぎます。しかし、再び胴体の空気の復元力によって再び圧縮され、質量$m$は再び平衡位置を通り過ぎる、というサイクルを繰り返します。いわば、単振動が起こっていると考えることができます。

  1. Stevens, K. N., Acoustic Phonetics, MIT Press, Cambridge, MA, 1998.