波とは

波と聞いて、まずは海に打ち寄せる波を思い浮かべると思います。お風呂にお湯をはり、水面に手を入れると波紋が広がります。

もしおもちゃの船があったら、湯船の中に浮かべてみてください。手をお湯に入れたり出したりすると波が生まれます。そうすると、近くのおもちゃの船も一緒に上下に揺れると思います。 しかし、船が波に乗ってそのまま移動していくわけではないでしょう。

ひもを端を持って、勢いよくひもの端をスナップをきかせて一振りしてみてください。そうすると、ひもにできた「山」が移動していく様子が観測されます。このとき、実際にはひも自身がそのスピードで物理的に移動しているのではなく、ひもに出来た「たわみ」が移動しているだけで、ひもの部分部分はそのたわみが到達したときに少し振れるだけで、またもとの位置に戻ります。

ひもの端を連続的に山谷山谷・・・と振れば、その山谷山谷が波として次々と移動していく様子が観測されます。波は進んで行きますが、実際はひもの部分部分が同じ場所を中心に横に振れているだけです。このように、波の進む方向と振れる方向が直角をなしているような場合、「横波」と呼びます。

波が生じるもとには振動源があり、波が伝わるためにはそれを担う媒質があります。空気中で音さを鳴らすと、音さが振動の源であり音源とも言います。そして音波は、空気を媒質として伝わります。ただし、音波は水などを媒質としても伝わります。水中で魚の群れを見つける魚群探知機なども、音波が水中で伝わりやすいという性質を利用しています。

媒質としての空気の話に戻りましょう。空気は重く、質量があります。また、空気を注射器に閉じ込めて圧縮するとバネのように跳ね返そうとする力を感じます。風船を押しても感じられますね。空気中の音波は、このように圧縮したり膨張したりを繰り返しながら伝搬します。そのため、空気がもし粒子の集まりだと仮想的に考えれば、粒子が集まって密になった状態(圧縮)と、粒子がまばらになって 疎 になった状態(膨張)を繰り返すことから、疎密波と呼ばれます。そして、波の伝わる方向と圧縮・膨張の方向が同じであるような波ということで「縦波」と呼ばれます。