空気中を音波が伝わる場合、空気が媒質となります。そして、空気が圧縮と膨張を繰り返すことによって波が伝搬します。つまり、ある時間のある場所では空気 粒子は密集し、圧力が高まります。また、別の時間別の場所では空気粒子は拡散し、圧力が低くなります。音波がなければ空気は1気圧(静圧)ですが、音波が 存在すると媒質内で圧力が高い部分と低い部分が生まれ、圧力が変化します。この「静圧からの圧力の変化分」を、音圧(sound pressure)といい、単位はパスカル(Pascal、略してPa)で表します。 私たちは、20 μPaといった非常に弱い音から、20 Paといったかなり強い音までを聞くことができます。その広いダイナミックレンジを表現するのに、次式で定義される音圧レベルがよく用いられます。
$$\mathrm{音圧レベル} = 20\log_{ 10 } \frac{p}{ p_{0} }[dB]$$ここで、$p$ は対象としている音の音圧、$p_{0}$ は基準音圧で20 μPa、そして単位はデシベル(dB)です。
- Speaks, C. E., Introduction to Sound: Acoustics for the Hearing and Speech Sciences, Singular Publishing, San Diego, CA, 1999.(荒井隆行, 菅原勉(監訳), 音入門:聴覚・音声科学のための音響学, 海文堂, 2002.)