円運動と単振動

動画を見ると、左の円運動と右の単振動の関係がわかるでしょう。円運動を横から見ると、単振動になっているのです。この円運動は、座標(1,0)から赤い点がスタートしています。その角度を0度(あるいは0ラジアン)とした場合、時間T秒で1回転したとします。このとき、周期がT[s]であると言います。もしT=2sのとき、0.25秒で1/8回転、すなわち赤い点は45度まで進みます。同様に、0.5秒で1/4回転、赤い点は90度、1秒で1/2回転、赤い点は180度まで進みます(1周期の半分)。

単振動は、バネにおもりをつけて振動させたときに見られる振動です。その振動はsinやcosなどの正弦関数で表現されます。そして、それはまさにこの動画のように円運動を横から見たものとみなせます。なので、単振動において赤い点の位置は、円運動の回転角に対応し、正弦関数の位相として表現されます。ですので、位相の単位も度(あるいはラジアン)が用いられます。

ところで、単位時間あたり何回転したか?とか、単位時間あたり何回振動したか?と表現したほうが便利な場合があります。円運動の場合は、単位時間あたりの回転した回数を回転数と言います。「単位時間」とは通常1秒のことですので、回転数の単位は1/s、つまりヘルツ(Hz)です。なお、エンジンの回転数を表現する場合はRPMを使います(タコメーターに表示されるもので車の運転席でよく見かけます)。これは「単位時間」を1分として表現したものです。単振動の場合、単位時間あたりの振動した回数を振動数と言います。「単位時間」は通常1秒ですので、単位は同じくヘルツ(Hz)になります。この振動数は、周波数とも呼ばれます。