仮想的に空気を粒子の集まりだと考えると、空気中の音波は空気粒子が密集し「密」なところと、空気粒子がまばらな「疎」なところが交互に繰り返しながら伝搬します。つまり、疎密波と呼ばれる縦波です。一方、ひもの一端を手で持ち上下に振ると横波が生まれます。
次の動画は、左端の赤い点が単振動の半周期だけ動く結果、1つ山の波が右に進行する様子を表しています。
この動画において、1つ山が通過するときの各点の上下位置を観察してみましょう。そこで、まず各点の上下位置のことを変位と呼ぶことにします。最初は、すべての点で変位は0です。1つ山が通過するとき、ある点では変位が0から1の間で変化します。
ではもし、各点の振れる方向を上下ではなく左右にしたらどのような様子が観測されるでしょうか。次の動画を見てみましょう。
上の動画では、左端の赤い点が上に振れる代わりに右に振れたことで、その「振れ」がそのまま右方向に伝わっていく様子が観測されます。なお、この動画では見やすくするために点の数を半分に減らしています。
今度は、 左端の赤い点が単振動する結果、正弦波が右に進行する様子を見てみましょう。各点の変位はプラスになったりマイナスになったり、-1から+1の間で上下に変化する一方、波は右に進みます。これは横波を表しています。
次に、1つ山のときと同様、上の動画における上下の振れを、左右の振れに変換してみます。その際、上への振れは右への振れに置き換え、下への振れは左への振れに置き換えます。
この動画を見ると、各点の振れる(変位する)方向と波が伝わる方向が一致した縦波の様子が観測されます。