多重反射と共振・共鳴(固定端・固定端)

左端の赤い点が単振動の半周期だけ動く結果、1つ山が右に進行し、右端の固定端で反射するとします。反射した1つ山は左に進行し左端まで戻りますが、左端も固定端であれば、そこでもまた反射することになります。そして右端の固定端で反射し、それが繰り返されるでしょう。このような多重反射は永遠に続くように思うかもしれません。しかし、実際は減衰があります。特に反射において全く減衰がなければそれは完全反射になるわけですが、実際は反射のたびに振幅は小さくなります。反射によって振幅が0.9倍される結果、1つ山が次第に減衰する様子を次の動画で示します。

もし1つ山が左端に戻り、固定端反射をして右向きに進行するタイミングで、もし次の1つ山を(高さは今までと同じ1で)左端から改めて送ったらどうなるでしょう。先ほどのような減衰をすることなく、むしろ山の高さが徐々に大きくなるでしょう。その様子を次の動画で観察してみてください。

今度は、1つ山が1往復する前に次の山を送るとどうなるかを見てみましょう。次の動画では、3/4往復するタイミングで山を送り続けてみます。すると、タイミングが合わないために最後はぐちゃぐちゃになってしまいました。

1つ山が1往復する前に次の山を送ると、いつもぐちゃぐちゃになるのでしょうか。 次の動画では、1/2往復するタイミングで次の山を送り続けてみます。すると、この場合はぐちゃぐちゃにはならず、波が成長をしています。 さらに、両端と中央の3か所に変位が0の節ができています。

ということは、1/3往復するタイミングで山を送り続けてみるとどうでしょうか。すると、 両端に加えて、1/3付近(横軸が16とか17付近)と、2/3付近(横軸が33付近)の計4か所に変位が0の節ができています。

まとめると、周期的な外力によってタイミングが合うと振幅が大きくなることがあり、それが共振あるいは共鳴と呼ばれる現象です。両側が固定端の場合、1往復の整数分の1の周期で波を送ると、共振・共鳴が起きます(言い換えると整数倍の周波数)。