Japanese Journal of Applied Physiology, Vol. 31, No. 2, pp. 99-104, 2001 (in Japanese)
Estimation of the arterial stenosis by means of blood pressure waveform
Y. Murahara, K. Sakamoto, H. Kanai and T. Arai
Abstract: 血圧波形は心臓から末梢へ向かって伝搬する。波動としての脈波は一様な血管中においては一定の伝搬速度の進行波として伝搬していく。しかし狭窄などにより血管の状態が変化した不整合な部位があると、そこで反射を起こし、進行波と逆の方向に向かう反射波が発生する。この場合進行してきた波動のエネルギーの一部は反射により心臓起始部へ戻され、不整合部位以後の波動のエネルギーは減衰を受ける。従って狭窄などの不整合部位前後の脈波は血管状態の変化の程度を反映した振幅の変化を受ける。この振幅の変化により血管状態を推定することができる。我々は工学的見地から血行力学に基づく血管モデルを用いて循環系を表現し、種々の血管状態を実現して血圧脈波の振幅の変化をシミュレーションにより求め、狭窄に対して脈波振幅の変化が顕著であることを明らかにした。