Trans. Tech. Comm. Psychol. Physiol. Acoust., The Acoustical Society of Japan, Vol. 33, No. 5, H-2003-59, pp. 341-346, 2003 (in Japanese)
Pre-processing technique to prevent degradation of speech intelligibility in reverberant environments
T. Arai, N. Hodoshima, T. Goto, T. Inoue, N. Ohata, K. Kinoshita, T. Kitamura and A. Kusumoto
Abstract: 残響環境下において音声明瞭度が低下する主要因の一つであるoverlap-maskingに対し、音声の定常部を抑圧することでそのマスキング量を減らし、明瞭度の低下を防ぐ前処理技術を以前から提案している(荒井他、2001;Arai et al.,2002)。聴取実験の結果、予めコンピュータ上で残響がたたみ込まれた音声では、特定の残響時間において有効であることが示されている。本稿では、その実験結果に加え、新たに実際の残響環境下における聴取実験を行った。それにより、Arai et al.の定常部抑圧処理は、残響環境下において音声明瞭度を保持するための前処理として有効であることを改めて確認した。また、実時間処理に適したアルゴリズムについても検討した。