1. 学会活動
1.1 Best Paper Award (Journal of Signal Processing)
信号処理学会の学術雑誌であるJournal of Signal Processingに掲載された、以下の論文がBest Paper Awardを受賞しました:
[2004_02]
Y. Konno, J. Cao, T. Takeda, H. Endo, T. Arai and M. Tanaka, “Evaluation of brain source separation for MEG data applying JADE, Fast-ICA and natural gradient-based algorithm with robust pre-whitening technique,” Journal of Signal Processing, Vol. 8, No. 6, pp. 461-472, 2004.
1.2 Best Paper Award (The Japan-China Conference on Acoustics)
日中音響学会議(The Japan-China Conference on Acoustics, JCA)にて、以下の発表がBest Paper Awardを受賞しました:
[2007_08]
K. Amino and T. Arai, “Contribution of consonants and vowels to the perception of speaker identity,” In Proc. of the Japan-China Joint Conference of Acoustics, Sendai, 2007.
1.3 Interspeech
ベルギーのAntwerpで開催された音声コミュニケーションに関する国際会議 “Interspeech”に、Scientific Review Committeeとして査読に関わりました。Tutorial“The Modulation Spectrum and Its Application to Speech Science and Technology” の当初の講師の一人にも決まっていたのでその準備を進めていましたが、今回は参加が難しくなり途中からサポートに回りました。
ところで、2010年のInterspeechは日本(幕張)で開催されますが、その準備が少しずつ始まっています(私はFinanceの委員を担当)。
1.4 ICPhS
ドイツのSaarbrückenで開催された音声学に関する国際会議 “International Congress of Phonetic Sciences (ICPhS)” において、査読に関わりました。
1.5 FIT
情報処理学会と電子情報通信学会が合同で開催する情報科学技術フォーラム(FIT)で行われた企画「大学の理系学部等における障害のある学生の支援」において、「聴覚障害のある学生の受け入れについて」という講演を行いました。講演の記録は、講演論文 [2007_17]、ならびに本企画を主催した電子情報通信学会福祉情報工学研究会(WIT)の以下のウェブページで閲覧できます:
http://www.ieice.org/~wit/activity/2007_09-kikaku.html
1.6 日本音響学会サマーセミナー
夏に白馬で行われたサマーセミナーに実行委員として参加しました。千葉工業大学の大川茂樹先生の音声に関わる講義では、短い時間をいただいて声道模型に関する話をさせていただきました。また、ミニアクティビティーとして、パイプとフィルムケースを使った声道模型の工作を参加者と一緒に行いました。
1.7 日本音響学会編集委員会
2005年から編集委員会会誌部会の委員として日本音響学会誌と英文誌Acoustical Science and Technology (AST) の編集に携わっています。2007年は2つの小特集と連載企画「音の博物館」等に関わりました。
1.7.1 日本音響学会誌の音響教育に関する小特集
担当編集委員として、また音響教育調査研究委員会委員長として小特集「現代のニーズに即した魅力ある音響教育」を担当しています(第64巻1号に掲載)。
1.7.2 日本音響学会誌の音バリアフリーに関する小特集
日本音響学会誌の第65巻3号に、音バリアフリーに関する小特集が組まれることが決まり、音バリアフリー調査研究委員会の委員でもある私が担当することになりました。
1.7.3 日本音響学会誌に連載企画「音の博物館」
日本音響学会音響教育調査研究委員会が中心となって、日本音響学会誌に連載企画「音の博物館」が2006年12月より始まりましたが、荒井が引き続き担当編集委員としていろいろな記事をとりまとめています。
日本音響学会誌 連載企画「音の博物館」のページ:
http://www.asj.gr.jp/publication/museum.html
1.8 日本音響学会音響教育調査研究委員会
日本音響学会では音響教育調査研究委員会委員を2003年から務めさせていただいており、2005年からは委員長に就任し委員会を取りまとめています。2007年も引き続き委員長として様々な取り組みを進めています。
1.8.1 音響教育研究会
本委員会が開催する研究会が2007年7月、千葉工業大学で行われました。その名称も「音響教育研究会」とし、また音楽音響研究会との共催で行われました。荒井の発表についてはこちらをご覧ください[2007_20]。
1.8.2 博物館・科学館との連携
2006年に引き続き、国立科学博物館で「音の科学教室 ―音のふしぎ・声をつくろう―」を2007年10月に開催し、小学生を中心に13名の児童・生徒に参加していただきました。この科学教室は日本音響学会との共催で行われ、運営に当たって音響教育調査研究委員会有志の協力をいただきました。なお、上記の科学教室の様子は、千葉工業大学で行われた音響教育研究会にて報告しました[2007_20]。
また、2007年7月にはサイエンススクエアに「音や振動に親しもう!」と題して音響教育調査研究委員会のブースを出展しました。2日間に渡って、大勢の親子連れが訪れ大盛況でした。佐藤史明先生(千葉工業大学)と上野佳奈子先生(東京大学)を中心とした共鳴現象を体験してみるコーナーでは、楽器や音さを使った簡単な実験から、クントの実験や共鳴鍋、グラスハープの演奏体験までさまざまな共鳴現象を体験できるように工夫されていました。中村健太郎先生(東京工業大学)を中心とした「振動で回転するおもちゃ“ギリギリガリガリ”」を作るコーナーでは、木の角棒に一定間隔で溝を掘り、その先端に自由に回る木板を付ける工作を行いました。
1.8.3 日本音響学会誌に小特集
前述の通り、小特集が音響教育調査研究委員会と連携しながら進められています(1.7.1節参照)。
1.8.4 日本音響学会誌に連載企画「音の博物館」
前述のこの企画は、音響教育調査研究委員会が中心となって進められています(1.7.3節参照)。2007年は「声道模型」を荒井が担当しました[2007_30]。
1.8.5 日本音響学会2008年春季研究発表会
音響教育に関わるデモセッションを企画することになり、その準備を会場となる千葉工業大学の先生方と中心に始めました。
1.9 日本音響学会音バリアフリー調査研究委員会
2006年に新しく委員会が発足し、それ以来、音声分野の代表として委員を務めています。
1.9.1 日本音響学会2007年春季研究発表会
2007年春季研究発表会では、スペシャルセッションが「補聴器システムによる“聞こえ”支援 “音バリアフリーの実現を目指して”」をテーマに開催されました。
1.9.2 日本音響学会聴覚研究会
2007年6月の聴覚研究会は、音バリアフリーがテーマで開催されました。荒井は、音声分野を代表して発表しました[2007_19]。
1.9.3 日本音響学会誌に小特集
前述の通り、小特集が音バリアフリー調査研究委員会と連携しながら進められています(1.7.2節参照)。
1.10 日本音響学会国際渉外委員会
2005年度から引き続き、委員を続けています。
1.11 日本音声学会
評議員と企画委員を引き続き務めました。さらに、2007年からは広報委員会の副委員長を務めることになりました。
1.12 日本建築学会
音声伝送研究ワーキンググループのオブザーバーとして参加させていただきました。
2. 音響教育・声道模型
2.1 Acoustical Science & Technology誌ジャーナル論文
今までの声道模型を用いた音響教育をまとめた論文が、Acoustical Science & Technology誌のシステム論文特集号に掲載されました[2007_01]。(なお、この論文は2008年に日本音響学会佐藤論文賞を受賞しました。)
2.2 進化し続ける声道模型
2007年の日本音響学会秋季研究発表会では、音声分野で「音声の可視化」がテーマのスペシャルセッションが組まれました[2007_27]。その中で、「音響教育における音声の可視化・可聴化」と題して、発表を行いました。舌がゲル素材で出来た舌可動式の声道模型も披露したところ、大きな反響をいただきました。
2.3 アメリカ音響学会 Gallery of Acousticsで受賞
Salt Lake Cityで行われたアメリカ音響学会(Acoustical Society of America, ASA)のSpring Meetingに際し行われたGallery of Acousticsに、声道模型に関する動画を出展しました。このGallery of Acousticsは、ASAのthe Technical Committee on Signal Processingがスポンサーとなり、音響研究者が音響現象が持つ自然の美しさを画像や動画、音で表現したり可視化する場として10年以上前から開催されています。そこに、“Acoustic Demonstrations of Vowel Production Using Vocal-Tract Models” と題して動画を出展したのですが、幸運にも賞をいただきました:
Gallery of Acoustics (From ASA “Echoes” Newsletter, Vol. 17, No. 3, 2007)
受賞作品はこちら:
http://www.splab.ee.sophia.ac.jp/Vocal_Tract_Model/Gallery_of_Acoustics_2007.wmv
2.4 声道模型がNHKに登場
2.4.1 NHK教育テレビ「音楽のちから」
この番組は、子どもたちが持っている「音楽を楽しむ力」「音楽を通して自分を表現する力」の可能性を提示する体験型の子ども番組です。この番組の、「大声で歌うって気持ちいい!」というテーマの回で、クイズコーナーの講師として出演し、肺の模型、頭部形状模型などを使って声のしくみを子どもたちに解説しました。
2.4.2 NHK総合テレビ「解体新ショー」
声道長が変化した際にどのように声が変わるかを模型で示したいということで、模型の設計に対する助言させていただいたり音源をお貸ししました。
2.5 声道模型のデモンストレーション
2007年も声道模型のデモンストレーションを様々なところで行いました:
- 日本音響学会サマーセミナー
スライド式声道模型を作るミニアクティビティーを行いました。 - 上智大学全学共通科目「マルチメディア情報社会論」
デモを含めた講義を行いました。 - 理工学部共通講座「ヒトの生物科学」
デモを含めた講義を行いました。 - 横浜共立学園高等学校
体験授業にて、講義とデモを行いました。 - 国立科学博物館
音の科学教室」にてデモと声道模型の工作を行いました。 - 日本音響学会秋季研究発表会
「音声の可視化」がテーマのスペシャルセッションにて、デモンストレーションを交えながら声道模型の発表を行いました。 - 上智大学のオープンキャンパス
3. 国際共同研究ならびに国内共同研究
3.1 Silicon Speech
Dr. Steven Greenbergらとの共同研究が、レターとして出版されました[2007_02]。また、Dr. GreenbergにはORC研究会にてご講演いただきました(5.6節参照)。
3.2 Norwegian University of Science and Technology (NTNU)
以前から親しくさせていただいているProf. Peter SvenssonとProf. Dawn Behneとの共同研究に関し、その成果を学会で発表しました[2007_09]。程島奈緒の学位審査に際し、Prof. Peter Svenssonには副査としてテレビ会議システムを介して審査に参加していただきました。
3.3 University of Arizona
Department of LinguisticsのDr. Natasha Warnerとの共同研究が、レターとして出版されました[2007_02]。
3.4 石川工業高等専門学校
字幕プロジェクト(4.2節参照)に関して、金寺登先生と共同研究を進めています。その成果はこちらをご覧ください[2007_26]。
3.5 武蔵工業大学
吉野邦生先生が中心となって、“Modern Mathematics and Its Application to Modern Technology” と題したソフィアシンポジウムが上智大学で開催され、そこで講演を行いました。その内容については、こちらをご覧ください[2007_32]。またその際の講演内容と関連して、吉野先生と新たな本の執筆をすることになりました。
4. 産学連携
4.1 NTTアドバンステクノロジ株式会社(NTT-AT)
荒井研が技術提供した声道模型教材VTM-10は引き続き高い評価を受けていますが、20セットが追加製造された後、2007年度で製造が中止されることになりました。
4.2 株式会社フジヤマ
2004年から株式会社フジヤマ(吉井順子社長)と共同プロジェクトが進んでいます。荒井研側のプロジェクトメンバーは、藤樫佑樹、古賀綾子、加島慎平、松浦杏子、Pek Kimhuoch、陳暁馥、長谷川敬、上條賢。ディジタル動画における字幕制作に関して、2007年の成果はこちらをご覧ください[2007_26]。
株式会社フジヤマのホームページ:
http://www.fujiyama1.com/
4.3 TOA株式会社
荒井研の拡声システムに埋め込む音声明瞭度改善のための前処理に関して、TOA株式会社と共同研究が進んでいます。特に、栗栖清浩さんには大変お世話になっています。荒井研側のプロジェクトメンバーは、程島奈緒、林奈帆子、宮内裕介、村上善昭、中田有貴、久保匡史、吉田航、千葉亜矢子。2006年度からは学外共同研究として本格化しています。2007年の成果はこちらをご覧ください[2007_05, 2007_06, 2007_12, 2007_18, 2007_28]。
TOA株式会社のホームページ:
http://www.toa.co.jp/
4.4 有限会社しまだ福祉用具研(Shima-ken Japan Inc.)
「『構音認識・発声支援装置/構音認識・構音検査装置』製品化に向けた調査」と題し、(財)北九州産業学術推進機構の中小企業支援センターから中小企業産学官連携研究開発助成を受け、2006年から共同研究を行っていましたが、2007年3月に終了しました。
しまだ福祉用具研のホームページ:
http://www.shima-ken.net/
5. 助成を受けている研究プロジェクト
5.1 科学研究費補助金(基盤研究A, 16203041)
外国語学部菅原勉先生が研究代表者で、同学部飯高京子先生、進藤美津子先生、平井沢子先生、東京工科大学メディア学部の飯田朱美先生他と共に申請した研究課題、「コミュニケーション障害者に対する支援システムの開発と臨床現場への適用に関する研究」も、2007年度で(4年の文理融合型プロジェクトの)4年目となりました(2006年度からは、研究代表者が進藤先生に変わりました)。2007年の成果はこちらをご覧ください[2007_01, 2007_03, 2007_05, 2007_06, 2007_08, 2007_09, 2007_10, 2007_12, 2007_18, 2007_22, 2007_23, 2007_27, 2007_28, 2007_29, 2007_32]。
また、最終年度ということで、2007年9月にはシンポジウムも開催されました。このシンポジウムでは、菅原先生による主旨説明の後、第一部「聴覚障害者に対する支援システムの開発とコミュニケーション援助」、第二部「音声コミュニケーション障害者への支援システムの開発とコミュニケーション援助」、第三部「言語聴覚障害児に対する支援システムの開発とコミュニケーション援助」と続き、最後に全体討論で締めくくられました。荒井研は第一部を担当し、荒井の総論の後、安啓一と程島奈緒による発表がありました。大勢の方に来場していただき、これらのテーマの重要性を改めて認識する機会となりました。
5.2 科学研究費補助金(基盤研究B, 17390543)
昭和大学歯学部片岡竜太先生が研究代表者で進めている「4次元声道モデルに基づいた鼻咽腔閉鎖機能診断、治療支援システムの開発」というプロジェクトに、2006年度から参加させていただいています。
5.3 科学研究費補助金(基盤研究C, 18530762)
外国語学部平井沢子先生が研究代表者で、「音韻障害児の音韻情報処理特徴の解明と学習支援方法の開発および実用化の研究」というテーマの3年間のプロジェクトが、2007年度で2年目を迎えました。
5.4 科学研究費補助金(基盤研究C, 17500603)
2005年度から私が研究代表者で、「音声科学における教材を目的とした人間の音声生成機構を模擬する声道模型の開発と改善」というプロジェクトも、2006年度で終了となりました(1.6, 1.7, 1.8の各節ならびに2節参照)。研究成果の一部はこちらをご覧ください[2007_01, 2007_20, 2007_27, 2007_31]。
5.5 科学研究費補助金(基盤研究C, 19500758)
2007年度から私が研究代表者で、「声道模型を用いた『人間の音声生成機構を直感的に学ぶ』音響教育の実践」という2年プロジェクトが始まりました(1.6, 1.7, 1.8の各節ならびに2節参照)。研究成果の一部はこちらをご覧ください[2007_20, 2007_27]。
5.6 オープン・リサーチ・センター(ORC)整備事業
2002年度にスタートした機械工学科伊藤潔先生が代表者の「システムの設計プロセスの情報モデリングとその共有・再利用法など」に、2005年度から参加させていただいていますが、2007年3月にプロジェクトが終了しました。
一方、2007年度からは電気・電子工学科田中衞先生が代表者の「人間情報科学研究プロジェクト」がスタートし、その中にある3つのグループのうちの1つである「ヒューマン・コミュニケーション・グループ」のグループ長としてプロジェクトをリードすることになりました。本グループは文理融合型の研究体制を取っており、言語学専攻、心理学科認知心理学研究室を始めとする学内メンバーの他、学外では早稲田大学の近藤眞理子先生もメンバーに加わっていただいています。その研究成果の一部はこちらをご覧ください[2007_06, 2007_19, 2007_22, 2007_25, 2007_26, 2007_27, 2007_28, 2007_29]。
この新ORCプロジェクトでは、以下のように2007年に3回の研究会を開催しました(敬称略):
【第1回ORC研究会】
講師:荒井隆行(上智大学)
タイトル:音声とバリアフリー
【第2回ORC研究会】
講師1:平田由香里(コルゲート大学東アジア言語文学学部准教授)
タイトル:発話速度が促音・非促音の時間長に及ぼす影響
講師2:板橋秀一(国立情報学研究所/産業技術総合研究所)
タイトル:音声資源の供給と利用
講師3:山川仁子(国立情報学研究所)
タイトル:音声コーパスの分類と可視化
【第3回ORC研究会】
講師:Speaker: Steven Greenberg (Silicon Speech; Technical University of Denmark; University of California, Berkeley)
タイトル:Linguistic Scene Analysis and the Importance of Synergy
5.7 守谷育英会
2005年度より2年間の予定で採択された研究助成も、2007年3月で終了しました。
6. 学内における文理融合・共同研究
6.1 外国語学研究科言語学専攻
前述のORCプロジェクトでは、石川彰先生、吉田研作先生、篠原茂子先生や、言語聴覚研究センターの先生方と一緒に共同研究がスタートしました(5.6節参照)。
言語聴覚研究センターの飯高京子先生、進藤美津子先生、平井沢子先生ならびに言語障害研究コースの皆さんとの共同研究も進んでいます。その研究成果の一部はこちらをご覧ください[2007_14, 2007_15, 2007_16]。また、2007年度の修士論文に対して、1件の副査を務めました。一方、荒井研の2007年度の修士論文では、南畑伸至の副査を進藤先生に、加島慎平の副査を平井先生にお願いしました。
6.2 心理学科認知心理学研究室
前述のORCプロジェクトでは、道又爾先生ならびに認知心理学研究室の皆さんとも一緒に共同研究がスタートしました(5.6節参照)。
6.3 研究機構フェスティバル
上智大学は文系・理系が同じキャンパスで教育研究活動を行っている総合大学ですが、その特色と利点をさらに活かした研究組織の構築と研究成果の創出をめざして、研究機構フェスティバルが昨年に引き続き行われました。その中で、「音声コミュニケーション情報技術の言語障害分野への貢献」と題して講演を行いました。
7. 社会への貢献・著書など
7.1 国立科学博物館における科学教室
前述の2.4節をご参照ください。
7.2 著書の出版関係
7.2.1 翻訳本「音入門」
2007年2月1日に2版3刷が出版されました。
8. 荒井研内のニュース
8.1 ジャーナル論文
前述の通り、Acoustical Science and Technology誌にAraiによる論文がついに出版されました[2007_01](2.1節参照)。この論文は2008年に日本音響学会佐藤論文賞を受賞しました。
8.2 学位論文審査
荒井研の程島奈緒に対する博士号の学位審査が2007年1月に行われました。前述の通り、NTNUのProf. Peter Svenssonに副査をお願いし(3.2節参照)、荒井が主査を務める初めての荒井研ドクターの誕生となりました。なお、程島は2007年4月から助教になりました。
また、今野義男君(2002~2004年に荒井研所属)とBasnet Kumar君の学位審査が共に2007年2月に行われ、荒井が副査を務めました。
8.3 ストックホルム国際青年科学セミナー
荒井研の中田有貴が日本代表2名のうちの1人に選ばれ、国際科学技術財団からの派遣でスウェーデンで行われたノーベル賞授賞式とその関連行事、ならびにストックホルム国際青年科学セミナーに出席しました。
8.4 理工学部共同研究員
2007年度も引き続き理工学部共同研究員は次の3名の方々です:吉井順子さん(株式会社フジヤマ)、栗栖清浩さん(TOA株式会社)、小林敬さん。
8.5 特別研究員
2007年3月まで、荒井研の程島奈緒と網野加苗の2名が日本学術振興会の特別研究員でした。
8.6 客員教授
2007年10月から、産業技術総合研究所(産総研)の倉片憲治先生に客員教授としてご指導を受けています。これは、上智大学と産総研との教育研究協力に関する協定(連携大学院制度)によるものです。
8.7 Fastlの会
2007年から、リオン株式会社の皆様、産総研の皆様、そして上智大学、特に荒井研のメンバーを中心に、「Fastlの会」を毎月開催しています。この会では、Fastl & Zwicker著の“Psychoacoustics”という教科書を輪読しています。
9. 学位論文題目
9.1 博士論文
程島奈緒
Effects of listening environments, listeners and preprocessing parameters on steady-state suppression for improving speech intelligibility in reverberation
9.2 修士論文
加島慎平
発話の困難な障がい者のための日英バイリンガル音声合成システムの構築
古賀綾子
動画への字幕付与システムを目的とした音声端点自動検出と字幕表示タイミングの主観評価
南畑伸至
難聴者の子音明瞭度改善を目的とした臨界帯域毎の周波数間引き処理
村上善昭
残響環境下における音声明瞭度とSignal to Overlap-maskingの関係
中田有貴
話速の異なる音声の残響環境下における前処理を用いた明瞭度改善:
単音節・文章の聞き取りに対する効果の検討
髙橋慶
DSPへの実装を目的とした簡易式定常部判定法の検証