荒井研究室ニュースレター 2009

1. 学会活動

1.1 IEEE

2010年からIEEE Signal Processing SocietyのSLTC (Speech and Language Technical Committee) の委員になることが決まり、2009年から国際会議ICASSPの査読委員に加わりました。

1.2 INTERSPEECH

イギリスのBrightonで開催された音声コミュニケーションに関する国際会議 “INTERSPEECH”に、荒井研から3件の発表がありました[2009_092009_102009_11]。Scientific Review Committeeとして査読にも関わりました。今回のINTERSPEECHでは“Public Exhibition”という展示コーナーが設けられ、そこで声道模型の展示発表を行いました。この展示コーナーですが、今回の実行委員長のRoger Moore先生(Sheffield大学)に1年前Brisbaneで行われたINTERSPEECHの会場にて「是非来年、参加してもらえないか?」と打診されていたものでした。それが今回実現したのですが、当日、会場にはBrighton & Hove市長もいらしてくださり、声道模型のデモンストレーションをお見せすることができました(その様子は学会のOpening Ceremonyでも紹介されました)。

INTERSPEECH 2009のPublic Exhibitionにて

また、学会の前後には2つの大学を訪問しました。1つ目の訪問先はUniversity College Londonで、研究室の見学の他、Speech Science Forumの一貫として“A replication of Chiba and Kajiyama’s mechanical models of the human vocal tract and their application for education in speech science”と題して講演を行いました。また、我々が翻訳をした“Signals and Systems for Speech and Hearing”の著者であられるStuart Rosen先生とPeter Howell先生にもお会いする機会があり、ちょうど出版を控えた第2版について議論させていただきました。もう1つの訪問先はCambridge大学で、Patterson先生の研究室を訪問させていただきました(ちょうど、入野先生も研究室に滞在されていました)。こちらから持参した声道模型をお見せした他、キャンパス内を見学させていただきました。

Patterson先生の研究室にて(Cambridge大学)

ところで、日本(幕張)で開催されるINTERSPEECHはいよいよ来年(2010年)です。その準備も順調に進んでいます(私はFinanceの委員を担当)。

1.3 日本音響学会ビギナーズセミナー

夏に白馬で行われたサマーセミナーに実行委員兼講師として参加しました。2008年から、このサマーセミナーはビギナーズセミナーの一部として位置づけられています。音声に関わる講義を担当し、声道模型に関するデモンストレーションも行いました。また、ミニアクティビティーとして、パイプとフィルムケースを使った声道模型の工作を参加者と一緒に行いました。

また、2009年春季研究発表会の会場で行われたビギナーズセミナーにおいても講師を務め、毎年白馬で行っているような講義&デモンストレーションを行いました。そこでは、音声の基礎に関わる短い講義とデモンストレーション、そして声道模型の工作を行いました。

1.4 日本音響学会編集委員会

2005年から編集委員会会誌部会の委員として日本音響学会誌と英文誌Acoustical Science and Technology (AST) の編集に携わっています。

1.4.1 日本音響学会誌の音バリアフリーに関する小特集

私が音バリアフリー調査研究委員会委員として担当した小特集「音支援(音バリアフリー)を考える」が、日本音響学会誌第65巻3号に掲載されました。担当編集委員として、前書き[2009_05]を執筆する他、音声に関わるバリアフリーの解説記事[2009_06]を執筆しました。

1.4.2 日本音響学会誌に連載企画「音の博物館」

日本音響学会音響教育調査研究委員会が中心となって、日本音響学会誌に連載企画「音の博物館」が2006年12月より始まりましたが、荒井が引き続き担当編集委員としていろいろな記事をとりまとめています。

日本音響学会誌 連載企画「音の博物館」のページ:
http://www.asj.gr.jp/journal/museum.html

1.5 日本音響学会音響教育調査研究委員会

日本音響学会では音響教育調査研究委員会委員を2003年から務め、2005年からは委員長に就任し委員会を取りまとめています。2009年も引き続き委員長として様々な取り組みを進めています。

1.5.1 音響教育研究会

本委員会が主催する「音響教育研究会」が、2009年は2回行われました。1回目は2009年4月、機械振興会館にて音声研究会との共催で行われました。2回目は2009年10月、東北文化学園大学にて騒音・振動研究会と共催で行われました。

1.5.2 博物館・科学館との連携

2006~2008年同様、国立科学博物館で「音の科学教室 音のふしぎ・声をつくろう」を2009年10月に開催しました。この科学教室は日本音響学会との共催で行われ、運営に当たって音響教育調査研究委員会有志の協力をいただきました。

また、2007, 2008年に引き続き、2009年8月にはサイエンススクエアに「音や振動に親しもう!」と題して音響教育調査研究委員会のブースを出展しました。出展内容は2007, 2008年のときとほぼ同じですので、詳しくはニュースレター 2007をご覧ください。また、委員会として日本音響学会研究発表会にて報告しましたので、こちらもご覧ください[2009_24]。

1.5.3 日本音響学会誌に小特集

音響教育調査研究委員会が行った音響学に関わるシラバス調査について、日本音響学会誌第65巻5号に掲載されました[2009_07]。

1.5.4 日本音響学会誌に連載企画「音の博物館」

前述のこの企画は、音響教育調査研究委員会が中心となって進められています(1.4.2節参照)。

1.5.5 日本音響学会2009年春季研究発表会

前述の通り、早稲田大学で行われた研究発表会でビギナーズセミナーが開催され、講師を務めました(1.3節参照)。そこでは、音声科学に関する音響教育の講義やデモ、声道模型の工作を行いました。

また2008年秋季研究発表会から、音響教育に関する一般セッションがプログラムに組まれています。2009年春季研究発表会では8件の講演があり、後半のセッションの座長を務めました。荒井が発表した内容については、こちらをご覧ください[2009_25]。

1.5.6 日本音響学会2009年秋季研究発表会

音響教育に関する一般セッションでは、5件の講演がありました。荒井が連名で発表した内容については、こちらをご覧ください[2009_36]。

1.6 日本音響学会音バリアフリー調査研究委員会

2006年に新しく委員会が発足し、それ以来、音声分野の代表として委員を務めています。

1.6.1 日本音響学会2009年秋季研究発表会

2009年秋季研究発表会では、スペシャルセッション「実環境下での音声聴取とその評価」が開催され、一部のセッションの座長を務めました。

1.6.2 日本音響学会誌に小特集

前述の通り、音バリアフリー調査研究委員会と連携しながら進められていた小特集が、日本音響学会誌第65巻3号に掲載されました(1.4.1節参照)。

1.7 日本音響学会国際渉外委員会

2005年度から引き続き、委員を続けています。

1.8 日本音声学会

評議員企画委員を引き続き務めました。さらに、2007年からは広報委員会の副委員長を務めています。

1.9 日本音声言語医学会

2009年10月に福島にて行われた学術講演会の「音声」のセッションで、座長を務めました。

2. 音響教育・声道模型

2.1 進化し続ける声道模型

前述の通り、日本音響学会ビギナーズセミナー(1.3節)や国立科学博物館での科学教室(1.5.2節)にて、スライド式声道模型の工作を行いました。この工作も毎年、少しずつ改良を重ね、さらに工作がし易くなったと思います。スライド式声道模型の分析結果については、こちらをご覧ください[2009_09]。形状をシンプルにした円筒管接続式声道模型については、こちらをご覧ください[2009_102009_14]。また、2008年に開催されたソニー・エクスプローラサイエンスでの企画展(詳しくはニュースレター 2008)については、こちらをご覧ください[2009_25]。

2.2 日立シビックセンター科学館

茨城県日立市の日立シビックセンター内にあるこの科学館が2010年にリニューアルオープンするのに際し、声道模型に関する展示が新設されるということでその監修をさせていただくことになりました。

2.3 声道模型のデモンストレーション

2009年も声道模型のデモンストレーションを様々なところで行いました:

  • INTERSPEECH
    自分の発表の他、Public Exhibitionでも声道模型のデモンストレーションを行いました(1.2節参照)。また、学会の前後では声道模型を持参し、UCLとCambridge大学にも訪問しました(1.2節参照)。
  • 日本音響学会サマーセミナー・ビギナーズセミナー
    スライド式声道模型を作るミニアクティビティーを行いました(1.3節参照)。
  • 上智大学全学共通科目「マルチメディア情報社会論
    デモを含めた講義を行いました。
  • 横浜共立学園高等学校
    体験授業にて、講義とデモを行いました。横浜共立学園高等学校のホームページにもその様子が紹介されました。
  • 国立科学博物館
    「音の科学教室」にてデモと声道模型の工作を行いました。
  • 上智大学ソフィア祭
    ソフィア祭実行委員会の企画による「科学に触れる~上智の科学~」にて、声道模型の展示を行いました。
  • 上智大学のオープンキャンパス
    研究室の公開の一環として、声道模型を展示しました。さらに体験授業を行い、デモを含めた講義を行いました。なお、体験授業の様子は、夢ナビWebに掲載されました。
  • 東京工業大学
    「バイオ創造設計」という講義にて、受講生が小学生に科学の面白さを授業するという課題があり、その教材として声道模型をお貸ししました。
  • 北陸先端科学技術大学院大学
    「情報科学研究科セミナー」にて「音声に関わる学際的研究とその実践的応用」というタイトルで講義を担当し、その中で声道模型のデモを含めた話をしました。
  • 東京医科歯科大学
    「大学院特別講義」として、「見て触って聴いて分かる、音声科学」というタイトルで講義を担当し、その中で声道模型のデモを含めた話をしました。

2.4 小学生向け教材

我々が作った肺の模型の写真が、2005年以来、引き続き進学教室サピックス小学部の教材に採用されています。

3. 国際共同研究ならびに国内共同研究

3.1 Norwegian University of Science and Technology (NTNU)

以前から共同研究をさせていただいているProf. Peter SvenssonとProf. Dawn Behneですが、その成果の一部が論文になりました[2009_03]。

3.2 石川工業高等専門学校

字幕プロジェクト(4.1節参照)に関して、金寺登先生と共同研究を進めています。その成果はこちらをご覧ください[2009_182009_26]。

3.3 武蔵工業大学

吉野邦生先生と、新たな本の出版に向けて執筆活動を進めています。

3.4 国立精神・神経センター病院

言語聴覚士の廣實真弓先生と2008年から共同研究をさせていただいています。荒井研側のプロジェクトメンバーは、安啓一、篠田貴彦、伊藤紫乃。2009年の成果はこちらをご覧ください[2009_222009_30]。

3.5 北海道医療大学

荒井研で共同研究員を5年以上されていた小松雅彦先生との共同研究について、その一部に関する論文が出版されました[2009_04]。

4. 産学連携

4.1 株式会社フジヤマ

2004年から株式会社フジヤマ(吉井順子社長)と共同プロジェクトが進んでいます。2009年度からは学外共同研究として本格化しています。荒井研側のプロジェクトメンバーは、松浦杏子、Pek Kimhuoch、上條賢、鹿野沙也香、小野敬太。2009年の成果はこちらをご覧ください[2009_182009_26]。

株式会社フジヤマのホームページ:
http://www.fujiyama1.com/

アメリカ音響学会のGallery of Acousticsで2007年に受賞した動画 “Acoustic Demonstrations of Vowel Production Using Vocal-Tract Models” が、フジヤマさんとの共同プロジェクトの一環として以下のホームページから字幕付きで公開されました。この動画には日本語と英語の字幕が付けられており、フジヤマさんのPC字幕視聴ビューアーMABLを介して誰もがインターネット上でこの動画を字幕付きで見ることができます。

“Acoustic Demonstrations of Vowel Production Using Vocal-Tract Models” の動画(字幕付き):
http://www.fujiyama1.com/sophia/Gallery_of_Acoustics_2007.html

4.2 TOA株式会社

拡声システムに埋め込む音声明瞭度改善のための前処理に関して、TOA株式会社と共同研究が進んでいます。特に、栗栖清浩さんには大変お世話になっています。荒井研側のプロジェクトメンバーは、程島奈緒、久保匡史、吉田航、千葉亜矢子、松風要平、辻美咲、中村進。2006年度からは学外共同研究として本格化しています。2009年の成果はこちらをご覧ください[2009_282009_31]。

TOA株式会社のホームページ:
http://www.toa.co.jp/

4.3 株式会社ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン

残響音声のシミュレーションに関して、2009年から学外共同研究が始まりました。荒井研側のプロジェクトメンバーは、鈴木淑正。2009年の成果はこちらをご覧ください[2009_34]。

5. 助成を受けた研究プロジェクト

5.1 科学研究費補助金(基盤研究B, 17390543

昭和大学歯学部片岡竜太先生が研究代表者で進められてきた「4次元声道モデルに基づいた鼻咽腔閉鎖機能診断、治療支援システムの開発」というプロジェクトに2006年度から参加させていただいておりましたが、2009年3月で終了しました。2009年の成果はこちらをご覧ください[2009_20]。

5.2 科学研究費補助金(基盤研究C, 18530762

外国語学部平井沢子先生が研究代表者で進められてきた「音韻障害児の音韻情報処理特徴の解明と学習支援方法の開発および実用化の研究」というテーマの3年間のプロジェクトが、2009年3月で終了しました。2009年の成果はこちらをご覧ください[2009_23r]。

5.3 科学研究費補助金(基盤研究C, 19500758

2007年度から私が研究代表者で進めてきた「声道模型を用いた『人間の音声生成機構を直感的に学ぶ』音響教育の実践」という2年間のプロジェクトが、2009年3月で終了しました(1.2, 1.3, 1.5の各節ならびに2節参照)。研究成果の一部はこちらをご覧ください[2009_082009_092009_102009_142009_25]。

5.4 科学研究費補助金(基盤研究C, 21500841

2009年度から私が研究代表者で、「人間の音声生成機構を分かりやすく説明する声道模型の改良とその音響教育応用」という2年間のプロジェクトが始まりました。2009年の成果はこちらをご覧ください[2009_36]。

5.5 オープン・リサーチ・センター(ORC整備事業

2007年度から情報理工学科田中衞先生が代表者の「人間情報科学研究プロジェクト」がスタートしましたが、2009年度で3年目を迎えました。私は3つのグループのうちの1つ、「ヒューマン・コミュニケーション・グループ」のグループ長としてプロジェクトをリードしておりますが、本グループは文理融合型の研究体制を取っており、言語学専攻、心理学科認知心理学研究室を始めとする学内メンバーの他、学外では早稲田大学の近藤眞理子先生もメンバーに加わっていただいています。その研究成果の一部はこちらをご覧ください[2009_012009_022009_082009_092009_102009_112009_122009_132009_142009_152009_162009_182009_192009_202009_21, 2009_222009_23r2009_252009_262009_272009_282009_292009_302009_312009_322009_352009_362009_37]。

このORCプロジェクトでは、以下のように2009年度に3回の研究会を開催しました(敬称略):

【第1回ORC研究会】
講演者:Osamu Fujimura (The Ohio State University)
タイトル:Speech Production Research: Personal Reflection

【第2回ORC研究会】
2時間に渡り、20名が口頭発表ならびにポスター発表を行いました。

【第3回ORC研究会】
講演者:Steven Greenberg (Silicon Speech)
タイトル:Time Perspective in Spoken Language Processing

なお、2009年3月にはDr. Roy Pattersonによる講演会を日本音響学会春季研究発表会の会場にて聴覚研究会と共催で行いました。

5.6 その他の研究助成

5.6.1科学研究費補助金(若手研究B, 21700203

程島奈緒が研究代表者で、「残響下で高齢者や非母語話者に明瞭な録音音声・肉声による拡声音声の調査」というテーマが採択されました(2009年度~2011年度)。

6. 学内における文理融合・共同研究

6.1 外国語学研究科言語学専攻

前述のORCプロジェクトでは、石川彰先生、吉田研作先生、篠原茂子先生や、言語聴覚研究センターの先生方とご一緒させていただいています(5.5節参照)。

言語聴覚研究センターの進藤美津子先生、平井沢子先生ならびに言語障害研究コースの皆さんとの共同研究も進んでいます。その研究成果の一部はこちらをご覧ください[2009_122009_322009_37]。

2009年には言語学専攻の修士論文に対して1件の副査を務めました。なお、その内容は学会でも発表されました[2009_12]。一方、荒井研の2009年度の修士論文では、髙橋亮介の副査を進藤先生にお願いしました。

6.2 心理学科認知心理学研究室

前述のORCプロジェクトでは、道又爾先生ならびに認知心理学研究室の皆さんとも一緒に共同研究が進んでいます(5.5節参照)。荒井研の2009年度の修士論文では、松井和貴の副査を道又先生にお願いしました。

6.3 カンボジア出張

大学教育の国際化推進プログラムの一環として、カンボジア王国シェムリアップを訪問しました。アンコールワットをはじめとする遺跡や上智大学アジア人材養成研究センター、そして以前、荒井研で紹介動画を制作したシアヌーク・イオン博物館にも訪れました(動画についてはニュースレター2008をご覧ください)。

アンコールワット遺跡(カンボジア)

7. 社会への貢献・著書など

7.1 国立科学博物館

前述の1.5.2節をご参照ください。

7.2 日立シビックセンター科学館

前述の2.2節をご参照ください。

7.3 著書の出版関係

7.3.1 翻訳本「音声知覚の基礎

2009年4月10日に2版2刷が出版されました。

8. 荒井研内のニュース

8.1 ジャーナル論文

網野加苗の論文が、Forensic Science International誌[2009_01]とAcoustical Science and Technology誌[2009_02]に掲載されました。

8.2 学位論文審査

荒井研の網野加苗に対する博士号の学位審査が、早期修了の審査を経て2009年7月に行われました。学外からの副査は、科学警察研究所の長内隆博士にお願いしました。荒井が主査を務める3人目の荒井研ドクターの誕生となりました。

荒井研卒業生の木下慶介さんに対する博士号の学位審査が、2009年11月に行われました。学外からの副査は、北陸先端科学技術大学院大学の鵜木祐史先生にお願いしました。荒井が主査を務める4人目の荒井研ドクター(論文博士としては1人目)の誕生となりました。

8.3 特別研究員・研究補助員

2009年4月から引き続き、荒井研の程島奈緒が上智大学の特別研究員、網野加苗、安啓一、増田斐那子が研究補助員でした。さらに、Pek Kimhuochが新たに研究補助員に加わりました。一方、網野は2009年10月から特別研究員になりました。

8.4 理工学部共同研究員

2009年度も引き続き、吉井順子さん(株式会社フジヤマ)、栗栖清浩さん(TOA株式会社)、小林敬さんが理工学部共同研究員でした。さらに、西海枝洋子さんが理工学部共同研究員に加わりました。

8.5 客員教授

2007年10月から、産業技術総合研究所(産総研)の倉片憲治先生に客員教授としてご指導を受けています。これは、上智大学と産総研との教育研究協力に関する協定(連携大学院制度)によるものです。

8.6 Fastlの会

2007年から、リオン株式会社の皆様、産総研の皆様、そして上智大学、特に荒井研のメンバーを中心に、「Fastlの会」を毎月開催しています。この会では、Fastl & Zwicker著の“Psychoacoustics”という教科書を輪読しています。

9. 学位論文題目

9.1 博士論文

網野加苗
Speaker individualities conveyed by speech sounds and their interactions with the linguistic-phonological information

木下慶介
A Study on Speech Dereverberation and its Applications

9.2 修士論文

松井和貴
音声の音韻・韻律情報処理における大脳半球左右差:
原音声ならびに処理音声による検討

吉田航
雑音・残響環境下における前処理を用いた音声明瞭度の改善:
両耳受聴した際の効果の検討

高橋亮介
時間処理能力低下の補償を目的とした音声処理の提案:
フォルマント遷移部伸長処理の検討