声道模型の3Dプリンタ出力

1. はじめに

Chiba and Kajiyama (1941-42) では、The Vowelの中で母音生成と知覚の機構を生理学、物理学、心理学の観点から多角的に捉え一冊の本にまとめました。その本の中に1節では、実際に測定された声道形状から物理模型を作り、その模型を用いて母音を生成する実験を行っています。そして、模型から発せられる母音が、人間による母音と類似した特性を有することを確認しています。Arai (2001) はThe Vowelの出版60周年記念に際し、その中で登場する声道模型を復元しました。その復元模型(Model VTM-C10)は、2009年にVTM-N20として生まれ変わりました。さらに、形状をよりシンプルに表現し、かつ、音質を改善したVTM-T20も今回リリースいたします。このVTM-N20、VTM-T20、そしてその他の声道模型シリーズは多くの方々に用いられ始めており、母音の生成機構を理解することを助けています(Arai, 2007, 2012, 2016)。

日本音声学会は2016年、90周年を迎えました。その記念シンポジウムでは、Chiba and Kajiyamaの功績にまた光が当てられました(Arai, 2017)。そしてVTM-N20、VTM-T20は2017年、3Dプリンタ用ファイルとして公開されることになりました。

VTM-C10を用いた声道形状に関する説明は、 [G200] をご覧ください。

VTM-N20を用いたデモンストレーション動画は、 こちら をご覧ください(YouTube)。

VTM-T20を用いたデモンストレーション動画は、 こちら をご覧ください(YouTube)。

2.3Dプリンタ出力用のファイル

2.1 VTM-N20

声道模型 VTM-N20 の3Dプリンタ出力用ファイルは、次のzipファイルとして圧縮されています。
Arai_VTM-N20.zip
こちらのzipファイルの中にあるreadme.txtを読んでからご使用ください。

3Dプリンタ出力の例(左から/i/, /e/, /a/, /o/, /u/)

★ もし3Dプリンタ出力の依頼先をお探しの場合は、arai@sophia.ac.jp までご連絡ください。

2.2 VTM-T20

声道模型 VTM-T20 の3Dプリンタ出力用ファイルは、次のzipファイルとして圧縮されています。
Arai_VTM-T20.zip
こちらのzipファイルの中にあるreadme.txtを読んでからご使用ください。

3Dプリンタ出力の例(左から/i/, /e/, /a/, /o/, /u/)

★ もし3Dプリンタ出力の依頼先をお探しの場合は、arai@sophia.ac.jp までご連絡ください。

3. 音源

声道模型から母音を生成するためには別途、音源が必要となります。
注意:質の悪い音源を使用されますと、明瞭な母音が生成されない可能性があります。
★もし質のいい音源をお探しの場合は、arai@sophia.ac.jp までご連絡ください。

4. Museums

今までに、声道模型はいくつかの博物館・科学館における展示として採用されてきました。

  • 静岡科学館「る・く・る」、常設展、VTM-C10およびVTM-P10
  • 日立シビックセンター科学館、常設展、VTM-C10
  • 沖縄こどもの国・ワンダーミュージアム、常設展、VTM-T50
  • ソニー・エクスプローラサイエンス、企画展、VTM-C10
  • こども科学センター・ハチラボ、企画展、VTM-T38, VTM-HS
  • Technorama(スイス)、企画展、VTM-T20, VTM-S20, VTM-HS
  • Händel-Haus(ドイツ)、常設展、VTM-T38
  • Estonian National Museum(エストニア)、常設展、Estonian 9 vowels, VTM-S20

★もし博物館・科学館で展示をお考えの場合には、arai@sophia.ac.jp までご連絡ください。

5. Acknowledgment

一部は日本学術振興会の科研費(15K00930)の助成を受けたものです。

  1. Arai, T., The replication of Chiba and Kajiyama’s mechanical models of the human vocal cavity, J. Phonetic Soc. Jpn., 5(2), 31-38, 2001.
  2. Arai, T., “Education system in acoustics of speech production using physical models of the human vocal tract,” Acoust. Sci. Tech., 28(3), 190-201, 2007.
  3. Arai, T., “Education in acoustics and speech science using vocal-tract models,” J. Acoust. Soc. Am., 131(3), Pt. 2, 2444-2454, 2012.
  4. Arai, T., “Vocal-tract models and their applications in education for intuitive understanding of speech production,” Acoust. Sci. & Tech., 37(4), 148-156, 2016.
  5. Arai, T., “What Tsutomu Chiba left behind,” J. Phonetic Soc. Jpn., 20(3), 2017.
  6. Chiba, T. and Kajiyama, M. (1941-42) The vowel: Its Nature and Structure, Tokyo: Tokyo-Kaiseikan.